9月末のことだから、もう1.5ヶ月くらい前のことになる。
仕事で岡崎市(愛知県)に1泊2日で行ってきた。
「さて、どこに泊まろうかな」とビジネスホテルを探しているときに目に留まったのがスーパーホテル岡崎。
最近低価格ビジネスホテルチェーンとしてあちこちでスーパーホテルを目にするし、宿泊を低料金で提供するために行っているさまざまな工夫の記事も目にしたことがあり、ちょっと興味があった。
また何と言っても今年の5月15日にオープンしたばかりで新しいことが決め手となり、このホテルに決定。
宿泊費については写真よりも下の本文を参照して。
(写真1)フロント横の棚には選べる低反発素材枕
ホテルに入ってフロントで受付と支払いを済ませる。
フロントのすぐ横には枕の棚があり、硬め、柔らかめ、高め、低めなどから枕が選べる。
もちろん部屋には普通の枕も置いてあったけど。
(写真2)エレベータ横には明日の朝食メニューの掲示
宿泊が低料金な上に朝食まで込みになっていると話には聞いた。
さらに「パンとコーヒー」などではなく、ちゃんとした朝ごはんとのうわさ。
明日の朝が楽しみ。
(写真3)ホテル内の廊下もいたってきれい
この時点ではオープンして4ヶ月くらいだから、まあきれいなのは当然と言えば当然。
(写真4)部屋のドアロックは磁気カードスキャンではなく暗証番号を手入力
特徴的なのはこの客室のドアロック。
チェックイン時に支払いを行うと、レシートに6桁か7桁くらいの暗証番号が印刷される。
その暗証番号を手入力することによって開錠されて室内に入ることができる。
だから毎回紙製の使い捨て磁気カードを発行しないから、低コストでかつごみを出さない。
磁気カードスキャンや、非接触型ICカードの方が便利なことは確かだが、暗証番号手入力でコストダウンとごみで減量に協力できるなら、それで十分だ。
(写真5)靴を脱いで「ぐっすり」お眠りください
これも気に入ったことのひとつ。
室内のこのラインから先は靴を脱いでスリッパでリラックス。
と言うか僕の場合、ホテル室内ではいつもスリッパも履かずに、ほぼ裸足だけどね。
ここから先に土足でなければ掃除も手間がかからず、結局それが低コストにつながるはず。
(写真6)室内は白と茶色が基調でシンプル
シングルルームは決して広くは無いが、低価格ビジネスホテルとしては十分。
新しいだけあって中は清潔で機能的。
ベッドもシングルとしては十分な大きさで問題なし。
(写真7)バストイレはミニマムサイズだがきれいだし他に大浴場もあるし
客室内のバス・トイレはさすがに狭いが、クラスのビジネスホテルではごく普通。
ホテルが新しいから中はきれいで、問題なし。
ごみを減らすためシャンプーやボディソープは小瓶や小さなビニール袋ではなく、壁のタンクに入っていて手で押すと適量が出てくるポンプ式。
(写真8)室内には空気清浄機付き
室内は新しくきれいで特に必要性は感じられなかったが、最近はビジネスホテルでも空気清浄機を常備しているところが多い。
当然だけど無いよりはある方がいいよ。
(写真9)室内に電話機が無いため目覚まし時計が置いてある
スーパーホテルが低価格な理由のひとつとして客室内に電話機を設置していないことはあまりにも有名。
以前会社でもホテルシステムを担当しているチームがあったが、冷蔵庫内の飲み物を抜き取ったことによる課金システム、電話交換機や電話機、そして通話による課金システム、ビデオ視聴による課金システムなどあらゆるシステムが高コストを招いていた。
最近は「空の冷蔵庫をご自由に利用してください」、「ビデオは専用カードを自販機で購入してください」でシステムが簡素化され、低コスト化を図っているが、電話交換機・電話機を客室から撤廃した例は他では聞かない。
僕自身もう何年もの間、ホテルに泊まって室内の電話機で通話した記憶が無い。
みんな自分の携帯電話を持っているから、僕も客室に電話交換機システムは不要だと以前から思っていた。
エレベータ横に館内電話機があるので、フロントに用があるときはそれで電話する。
と言うか、1Fまで行った方が早いし確実。
(写真10)室内にはパナソニック ionity EH5215P ヘアドライヤーが装備
僕はヘアドライヤーは使わないけど、気になる人もいるだろうと思って写真を撮ってきました。
(写真11)室内は狭いがちゃんとしたデスクと椅子がある
机と椅子は思ったよりも立派だった。
大きさや重量感、質感など、このクラスのビジネスホテルとしては十分な内容だと思う。
(写真12)低価格とエコロジーのため髭剃りやヘアブラシは別料金
この辺も僕は歓迎するシステム。
僕自身出張に行くときは、使い慣れた自分の歯ブラシと髭剃りを持っていく。
客室内に1人分ずつこれを揃えるにはコストもかかるし無駄な資源浪費。
必要な人は買ってください。
(写真13)これも低価格のため深夜0時にはフロントが閉鎖される
これも低コストを徹底するための仕組み。
深夜0時になるとホテルフロントのガラス戸のシャッターが閉じられてしまう。
それまでにチェックインしていれば、部屋と同じ暗証番号でホテル建物のドアの開閉は可能。
(写真14)左側のガラス戸が深夜に閉鎖されたフロント
これは深夜2時ごろの様子。確かに深夜はホテルフロントのガラス戸が締め切られていた。
まあこの時刻にフロントに用事はなかなか無いだろうし、深夜にフロントに2人-3人も待機させれば明らかにコストアップになるだろうから、それはそれでも構わない。
(写真15)1Fロビーは図書館か自習室みたいな感じ
これもコストダウンの影響か、1Fロビーがあるべきところには、まるで図書館か自習室のような机と椅子が並べられている。
明日の朝食はここで食べるのかな?
(写真16)大浴場とは言えないが天然温泉の浴場付き
この価格で天然浴場付き。ただし定員4人から5人の小さな浴場。
写真で見てもわかるとおり浴槽も結構小さい。
男女は時間による入れ換え制で、平日の男性は20:00~翌朝6:50、女性は7:00~9:30と15:00~19:50。
(写真17)温泉浴場内のシャワー
何せ定員が4人から5人だから、シャワーも3つだけ。
それでも客室のミニマムなユニットバスと比べたら雲泥の差。
手足を伸ばしてゆっくり風呂に入れる。
今回の場合は深夜2時ごろに入ったので他に客も無く、写真も撮ることができた。
(写真18)翌日の朝食は無料で付いていいる
こう言うのを「無料」と呼ぶのは抵抗がある。正しくは「朝食代は宿泊費に含まれる」かな。
ご飯と味噌汁、ミニハンバーグ、ウインナー、牛肉野菜炒め、シュウマイ、ミニ目玉焼きなど。
無料の朝食としては品数も多く、ボリューム的にはかなり立派。
残念ながら一品ずつの質はそこそこ。ホテル予約サイトの利用者の声でも良く見かける意見だけど、品数を減らしても一品ずつの質を少し上げた方がいいな、と思った。
飲み物はフレッシュ100%ジュースなどはもちろんあるはずは無いが、朝食時間帯だけ紙カップのジュース販売機が無料開放されているので、お好きなものが飲める。
缶入りやPETボトル入りの飲料は無料ではないので、ご注意を。
ところで「低価格」を連発したが、どのくらい低価格なのか。
スーパーホテル岡崎は今年の5月にオープンした新しいホテルだけど、一般的なシングルルームは1泊4980円の部屋が標準的。
プランによって価格は上下する。
僕の場合は平日の部屋数限定の低価格プランで、1泊何と3980円で予約した。
低価格プランの制限として「クレジットカード利用不可、宿泊時に現金払い」だったが、さすがの貧乏人のnorimaki2000さんも現金で払いましたよ。
結論からするとスーパーホテルは低コストに徹していて、ビジネスホテルとしては好感が持てる。
ホテル室内の広さや質感、従業員の接客態度など質を落とせない。
他ホテルとの差別化のため朝食付き、温泉浴場付き、お好みの低反発枕は外せない。
その上でライバルよりも宿泊費を低価格で提供するためには何か思い切った方針を打ち出す必要がある。
それが客室内電話撤廃、深夜0時のフロント業務終了、髭剃りやヘアブラシの有償化。
この程度で品質を下げずに低コスト化できるなら僕は大歓迎だ。