ターミナルサービスで利用するOfficeのライセンス
そこで話題になったのが、低速なWAN回線を経由する営業所。
ドメインへのログオンは1日に1回程度だし、まあ対して問題にはならない。
しかしファイルサーバとしてはレスポンスが悪いと困る。
と言うわけで、Windows Server 2003のターミナルサービス及びCitrix Presentation Server(※1)を使ってOfficeを実行するわけ。
まあターミナルサービスの利用方法としては定番だし、Officeのアップデートなどの管理上の手間も減るし、メリットはありそう。
そこで話題になったのが、現在既に各パソコンで利用しているOfficeのライセンスで、ターミナルサーバのOfficeも利用できるのかどうか?、って事。
かなり時間をかけて調べたんだけど、まとめるとこうなる。
[1]ターミナルサーバに対するOfficeのライセンス
1.全てのバージョンのOfficeに関して、ターミナルサーバ自体に対するOfficeはライセンスが不要
2.ただしターミナルサーバでOfficeを利用する場合はライセンスが必要
これにはこんな経緯があったようだ。
・Office 2000ではターミナルサーバに対してもライセンスが不要だった
・Office XPではターミナルサーバに対してもライセンスが必要
・しかし2004年7月の改定で、現在の規定となった
詳しくはこちらを。
http://www.microsoft.com/japan/licensing/guide/default.mspx
・Microsoft Volume Licensing > ライセンス ガイドブック > 4.ビジネスアプリケーション > Microsoft Office 2003 Editions(2005年4月1日)
9/10ページのQ7「ターミナル サービスを使って Office 製品を利用する場合、Office 製品のライセンスはターミナルサーバーとクライアントの両方のコンピュータに必要ですか?」が参考になった。
[2]ターミナルサーバ上のOfficeを利用するためのクライアント側のライセンス
1.OEM版のOfficeライセンスを所有している場合、ターミナルサーバ上のOfficeを利用するライセンスは無い
2.製品版やVL版のOfficeライセンスを所有している場合、ターミナルサーバ上のOfficeを利用するライセンスがある
3.ただしクライアント上のOfficeとターミナルサーバ上のOfficeを両方同時に実行する場合、Officeのライセンスが2つ必要
はーん、そうなんだ。まあ予想通りかな。
OEM版のライセンスでターミナルサーバ上のOfficeが使えるわけないよね。
この情報の出所は明かせないけど、確かな筋からの情報です。
[3]Officeのバージョンやエディション
ここではOffice 2000/XP/2003をバージョンと呼ぶ事にする。
Office Personal/Standard/Professionalをエディションと呼ぶ事にする。
各パソコンには製品版かVL版のOfficeがインストールされているとする。
しかしバージョンやエディションがバラバラの場合、ターミナルサーバ上のOfficeを利用するライセンスはどうなるんだろうか?。
実はこれについては回答が見つかっていない。
しかし今まで調べた事や、今までの僕の知識からして、こう考えるのが正しいと予想している。
「各バージョンやエディション毎にターミナルサーバ上のOfficeの実行環境を用意する」
例えばクライアントPCにはこれらのOfficeが混在しているとする。
・Office 2000 Standard
・Office 2000 Professional
・Office XP Standard
・Office XP Professional
・Office 2003 Standard
・Office 2003 Professional
この場合はターミナルサーバ上にこれらの6種類のOfficeをインストールし、各パソコンはターミナルサーバ上でも自分の所有するライセンスと同じOfficeを実行するように環境を構築するのが正しい姿なんだろうな、と思ってる。
もし異なるバージョンやエディションのOfficeが1台のターミナルサーバ上に構築できないのであれば、ターミナルサーバを複数台用意してでも(※2)それぞれの環境を構築するわけだ。
もちろんこんなのは現実的ではないから、実際にはボリュームライセンスで全台数分を同一のバージョンやエディションに統一(※3)するんだろうね。
(※1)
Citrix Presentation Serverとは、旧MetaFrameのこと。
(※2)
Citrix Presentation ServerのEnterprise Editionのアプリケーション分離環境を使えば1台のサーバで複数のOfficeを混在する事が可能なのかも
(※3)
今回の対象は、言ってしまえば中小企業。
大企業なら今さら言うまでも無く、Officeはとっくの昔からボリュームライセンスだから